■「地下天気図®」は デジタル・トランスフォーメーション(DX)の地震カタログというBigDataのデジタルツインです。
■ 地震活動を天気図の『低気圧』,『高気圧』になぞらえて視覚的に表現したもの
実際に解析に使用しているのは地震がいつ,どこで発生したかという,「地震カタログ」というものをです。地震カタログには地震の発生日時,発生場所(緯度,経度,深さ)およびマグニチュードが記載されています。
■「地下天気図®」における『低気圧』とは相対的に地震活動が低下(静穏化)している事 (図上では青色で示される)
■「地下天気図®」における『高気圧』とは相対的に地震活動が活発化している事
(図上では赤色で示される)
■「地下天気図®」では地震活動の静穏化がモニターできます。
100年以上にわたる地震学からの知見は,「大地震の前には普段より地震活動が低下する現象がかなりの割合でみられる」というものです。これを地震活動の静穏化と呼びます.
■「地下天気図®」はこの地震活動の静穏化や活性化(活発化)をあたかも天気図のように視覚的に表現したもの
■「地下天気図®」では一般的に青色の部分に注目
地震活動一般に青色の部分が消えた後(静穏化が終了した後)我々は過去の経験則から“要注意”または地震が発生する可能性が高いと考えています。 ■ 地下天気図®の現状をまとめたものが、ダッシュボード(概要のまとめ)です。 ■ 地下天気図®で扱う地震の大きさの対象はM>6.5以上です。 地震の大きさの対象を「震度5弱」や「震度5強」ではなく、M>6.5以上としているのかの説明はこちら→
各Mクラスごとの日本の地震の発生数:2000年1月1日から2012年12月31日までの13年間の日本の各M(マグニチュード)ごとの地震の数/頻度と発生場所です(M3〜M6)。 M3=55,780個、M4=10,873個 M5=1,359個、M6=205個で Mが上がれば発生数は減ってきます。 13年間でM7=22個で、M8=1個、M9=1個づつでした。M4クラスの地震は過去13年間で年平均は836回の地震が起こり、これは1日2回、朝昼1回づつ日本のどこかでM4クラスの地震が起こっていました。
阪神大震災以前 は 、地震観測は気象庁 ( 当時は 運輸省 ) と大学 (当時は文部省 ) 、 そして防災科学技術研究所 ( 当時は科学技術庁)が別々に観測を担っていた。この地震をきっかけに、ばらばらに管理されていたデータを気象庁が一括で管理することになり、気象庁一元化震源カタログというものが作成されるようになった。そして最も大きな変化は、防災科学技術研究所が Hi-netと呼ばれる高感度地震観測網の整備を開始した。
Hi-netの誕生により、日本は世界でも最高レベルの地震観測網を持つに至った (それまでの地震観測点が300点程度だったものが 、1,200点ほどとなった)。このHi-netの誕生により、それまで観測できなかった小さな地震まで計測できるようになり、 地震活動度のBig Data がとれるようになった。PI(パターン・インフォマティックス)を用いての地震活動度のビックデータ(地震カタログ)を定量化アルゴリズムなどを使って数理学的解析の地震前兆・予兆現象研究がおこなわれてきて、地下天気図® のような地震活動のゆらぎを検出することも可能となった。
■ 地下天気図®の解析 アルゴリズムと対象地域によって、地下天気図®の種類があります
・LタイプとMタイプの違い ✓ RTLアルゴリズム(Lタイプ):異常の抽出感度は少し落ちますが、狼少年(異常があった後に地震が発生しない)になりにくいアルゴリズム。 ✓ RTMアルゴリズム(Mタイプ):異常の検出能力が高く、見逃しは少ないですが、誤った異常を検出してしまう事もありえるアルゴリズムです。
■ 地下天気図が扱う時間スケールについて 地下天気図解析の一つの目的は、国が「30年で何パーセント」という、極めて長期的な予測しか示していない状況を少しでも改善する事です。我々はそれを「今後1ヶ月から1年」といった時間スケールまで狭めていきたいと考えています。
【熊本地震の前の地下天気図®】
■ 熊本地震以前の2年間の九州地方の地下天気図®の推移(アニメ)
(2014年~2016年4月14日まで )
2016年3月24日 DuMA News Letterはこちら News Letter では....
今回のニュースレターでは九州を中心とした地域の地下天気図®を作成してみました。ここでお示しする図は2016年3月16日時点(最新のもの)と、その3か月前(2015年12月16日)および6か月前(2015年9月16日)のものです。6か月前の地下天気図®に明瞭ですが、九州北部と鹿児島県地方に青い地震活動静穏化領域が広がっており、それが徐々に小さくなって、特に九州北部**では、静穏化現象が終了しつつあるのがわかります(注意:静穏化が終了した後に地震が発生する可能性大)。
ただ、予想されるマグニチュードは7ではなく、6クラスの地震*で、きちんとした建物であれば、倒壊する可能性はほぼありません。確かに九州北部**ではM6 クラスの発生準備が整ってきたと考えられます(鹿児島周辺は、まだ発生しない可能性が大きいと考えています)。
またこのカバーレターで ”今後福岡県**出張の際には、頭の片隅に地震の事を留めておく事をお願いします。"という注意喚起(**九州北部と書いています。九州中部とはこの時点で書いていませんが、一般的には静穏化の周辺も含め要注意です。)
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*) 2016年4月14日の地震(のちに前震となった)のマグニチュードはM6.5でした。また16日に発生した地震はM7.3でした。(7クラスも発生しました)
**) 一般的には静穏化の周辺も要注意です。(3.11のケース参照)
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