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巨大地震列島

更新日:10月9日


はじめに


第 1 章 ⼤地揺乱の時代









  • 軽⽯騒動 ー福徳岡ノ場の⼤噴⽕は何を意味するのか?

  • トンガの巨⼤海底噴⽕は何をもたらしたか

  • 新しい災害・⻑周期地震動 ーエレベータの閉じ込めをどう防ぐ

  • 地震⽕⼭庁創設のススメ ー⽇本周辺で世界の地震の 18%以上が起こっている!

 COLUMN 01 プレートテクトニクスについて ー⽇本沈没は起こるのか?

 COLUMN 02 ⽇本周辺のプレート分布について

 COLUMN 03 どこで地震は起きるのか?


第 2 章 過去の震災に学ぶ


  • 関東⼤震災が引き⾦になった昭和の⼤恐慌

  • 関東⼤震災の真実 ー震源地の謎・2 ⽇間で 阪神⼤震災クラスが 11 個発⽣!

  • 関東⼤震災 ー被服廠跡の⽕災の原因は⽕炎旋⾵だったのか

 BS フジ 2023年5月14日(日)

  • 阪神・淡路⼤震災の教訓

  • ⾼度経済成⻑を助けた、戦後の地震活動静穏期

  • 関東⼤震災前の地震予知騒動

 COLUMN 04 津波の基礎知識

 COLUMN 05 「地震雲」について

 COLUMN 06 リュウグウのツカイは地震の前兆か?



第 3 章 ビッグデータ活⽤で 地震は予測可能だ!


  • 地震予知研究事始めー地震予知研究の学際的意義

  • 動物は地震を予知するか?

  • 東⽇本⼤震災の前に何が起きていたのか?

  • 地震予知は誰の仕事か?

  • 宇宙からの地震予知・津波予測

    東日本大震災発生以前から、宇宙から地震予知が出来るのではないかと考えられるようになっていました。これは、大地震の前に電波伝搬の異常や、本来聞こえないはずの遠方のFM放送が地震前に聞こえたという証言が色々存在していた事が学界で話題となっていたのです。

  東日本大震災では、もう一つ全く新しい現象が発見されました。それは宇宙から津波の正確な予測が可   能となる現象の発見です。我々はこれを「津波電離圏ホール」と名付けました。

  東北沖や南海トラフで巨大地震が発生すると、地下での断層の動きが海底面まで到達し、そのため上に   乗っている海水が持ち上げられて、津波を発生します。持ち上げられた海水は当然の事ながら、その上   の大気も押し上げます。


  地震が地下での力学的現象であるという、ある意味固定的な概念では、ここで取り上げるような大気    圏、さらには電離圏にまで地震現象が影響を与えているという事は俄には信じられない事と思います。

  ところが、1970年代ごろから、大地震の前に、電波伝搬の異常が発生しているのではないかという

  結果が論文として報告されるようになってきました。「地圏・大気圏・電離圏カップリング」は、LAI

  カップリング(Lithosphere-Atmosphere-Ionosphere Coupling)として、国際的に認知されるよう   になり、各種学会で特別セッションが組まれるまでに成長しました。








  • 地下天気図®とは ーパターンインフォマティクスにより地震発⽣を予測する









  • 予兆的な地震活動かを判断する⽅法

  • 究極の地震防災 ー地震制御は可能か

  • 地震予知の進むべき⽅向 ービッグデータを⽤いたデータ駆動型研究

 COLUMN 07 震度とマグニチュードは、どう違う?

 COLUMN 08 マグニチュードが 1 違うと、 エネルギーは 30 倍以上

 COLUMN 09 異常震域とは

 COLUMN 10 スロースリップとは何か?(ゆっくり地震を理解する)


第 4 章 はたして ⽣き延びられるだろうか


  • 経済災害としての地震や⽕⼭噴⽕に、どう向き合うか

  • 3つの⼤震災の死因の違い

  • ⾸都直下地震とは

  • 南海トラフの巨⼤地震 ー歴史に学ぶ

  • 南海トラフの巨⼤地震 ー⾒えてきた地震像

  • 南海トラフ巨⼤地震で、⼤阪湾にも巨⼤津波が

  • 地下鉄は安全か? ー⼤都市の地下空間について考える

  • 緊急地震速報の原理 ー緊急地震速報は予知ではない

  • ブラックアウトについて ー2018 年・北海道胆振(いぶり)東部地震の教訓

 COLUMN 11 ⽇本海側にも拠点港を


第 5 章 富⼠⼭は噴⽕するか?



  • 富⼠⼭は⽣きている

  • ⽕⼭噴⽕予知とは

  • 噴⽕を予知するには





 COLUMN 12 あいまいな情報をどう活かすのか

 COLUMN 13 地震は県境を知らない

 COLUMN 14 地震雷⽕事コロナ


あとがき

 

はじめに


本書は地震学の教科書・啓発書ではありません。過去の地震 災害の知⾒を通じて、今後⽇本列島を襲う

“想定された” 危機 である、南海トラフ沿いの巨⼤地震や⾸都直下地震というもの がどのような地震なの

か、また現在、地震学界や内閣府は「地震予知は不可能」と発信していますが、実際それはどのようなこと

を意味するのかを、わかりやすく書いたものです。いわば、 ⽇本列島に暮らす⽇本⼈が知っておくべき地

震や地震防災の基礎知識、とも⾔えるものです。


そのために、21 世紀型の災害として特に停電やネットの不通による情報難⺠といったものや、経済災害

としての地震を知るために、「⽣き残るためにはどうしたらいいか」という章を作成しました。

さらに未来を予測するためには、過去に何が起きたのかを知ることが重要です。そのため「過去の震災に

学ぶ」という章を⽤意しました。


2021 年暮れには、政府から⻘森・北海道や千島列島沿いで 巨⼤地震の可能性があることが、ある意味、

突然指摘されました。特に千島列島沿いの巨⼤地震は、過去に何度も繰り返し発⽣していたのですが、アイ

ヌ⺠族が⽂字記録を残していなかったため、今まではわかっていませんでした。けれども近年、津波堆積物

の研究により、400 年から 500 年に⼀度の割合で「アルマゲドン地震」と呼ばれる巨⼤津波を伴う地震が発

⽣していたことが判明してきました。最後のアルマゲドン地震は 1600 年代前半に発⽣していたようで、す

でに約 400 年が経過しており、すでに東⽇本⼤震災直前の状態とも考えられています。


私は世間では地震学者と思われているようですが、実はそうではありません。たまたま学位を東⼤地震

研究所で取得したというだけで、狭義の地震学の主流である地震波形を扱った研究を⾏なったことはありま

せん。ちなみに博⼠論⽂は⽇本列島地下の温度構造というようなプレートテクトニクスに関係する分野で取

得しました。いわば温泉屋です。そのため、⽇本列島の地下に熱源となる放射性元素がどのように分布しているかについても研究しました。


私はここ 30 年ほど、地震予知研究、特に数⽇とか 1 カ⽉といった短期・直前の研究を⾏なってきまし

た。よく、「予知か 防災か」というステレオタイプの議論が⾏なわれることがありますが、これは 100%間

違いです。もし予知をすると地震が発⽣しなくなるのであればこの議論は成り⽴ちますが、たとえ予知が成

功しても地震発⽣そのものを防ぐことはできません・「予知も防災も」が正しく、予知はサイエンスとして

は重要ですが、あくまでも防災の⼀部分であり、⼈命を救うための最後の砦と考えています。


本書を通じて、地震で死なないためには何が重要なのか、さらに 21 世紀の⽇本列島は「⼤地揺乱の時

代」とも⾔える激動の時代であることをご理解いただければと考えています。


ビジネス社 ⻑尾年恭 著 (2022.09.01)

 

『巨大地震列島』 正誤表

P19 図の説明

 誤 フンガ トンガとフンガ ハアパイ火山の噴火の衛星画像

 正 フンガトンガフンガハアパイ火山の噴火の衛星画像

P27 図の説明

 誤 東海大学が制作した地震火山庁の会見予想図

 正 京都芸術大学を中心に制作した地震火山庁の会見予想図(尾池和夫監修)

P30 下から3行目

 誤 現代の地球科学で最も重要な考え方は2つあるのですが、

正 現在の高校地学教育で最も重要な知識が2つあるのですが、

P49 上から3行目

 次の図 → 前ページの図

P81の図 全面差し替え P82 4番目のパラグラフ

  一番右側の → 一番

P83 2番目のパラグラフ

  予測可能であると → 予測可能である事を

P91 下から2番目のパラグラフ

  いないので、両者は → いないのですが、両者は

P94 上から4番目のパラグラフ

  (確率予測をする手法)  <― 削除

P131 下から2番目のパラグラフ

  (60ページ参照) → (59ページ参照)

奥付 写真提供 共同通信社 → 時事通信社 P81の図 全面差し替え



























―地殻破壊時に粘土質内の水が超臨界状態となることが鍵―


プレート境界面には、すべりやすいスメクタイトなどの粘土質が存在し、その粘土質の中にある水が地震発生前の高温高圧下で超臨界状態となり、電気的な性質が通常の水と異なり絶縁性となり、電気的特性が急に変化することで電磁気学的異常が生成することを初めて提案し、電離層への影響を大気の静電容量によりモデル化し、モデルから予測される生成電場の大きさと観測されている地震発生前の電離層の伝搬異常の速度変化が整合的であることを示しました。



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